天然のスパークリングウォーターはなぜ発泡するのか


お酒を割りものとして、炭酸水やスパークリングウォーターを使う人は多いですよね。しかし、炭酸水のスパークリングウォーターの違いを知っていますか?炭酸水は人為的に炭酸ガスを水に含ませたもの、スパークリングウォーターは天然の炭酸を含んでいる自然のものという違いがあります。では、なぜスパークリングウォーターは発泡しているのでしょうか?

ここでは、スパークリングウォーター発泡する理由を説明します。

スパークリングウォーターはなぜ発泡するのか

天然のスパークリングウォーターは、ヨーロッパなど海外に多く存在しており、発泡する理由としては、地殻変動が関わっています。1億年以上前、ピレネー山脈で大規模な地殻変動が起こった時、マグマから天然の炭酸ガスが発生し、地層に亀裂が入ってガスと地下水が偶然ぶつかりました。その時に、地下水にガスが溶け込んだため炭酸の入った源泉ができました。ヨーロッパにはこのような炭酸の入った源泉が多く存在し、ローマ時代から健康のために重宝されてきました。紀元前3世紀、カルタゴの英雄であるハンニバルが、ローマへの行軍の途中に南フランスのヴェルジェーズに立ち寄って、泉の水を飲んだことが記録されています。
また、天然の炭酸ガスが入った天然水は限られますが日本にも存在し、福島県奥会津や大分県阿蘇野の天然水が挙げられます。

日本の主な採水地

奥会津金山 天然炭酸の水

1日の採水量が限られているため非常に貴重な天然炭酸水です。明治時代に上流社会で愛されていましたが、独自技術を駆使して現在では多くの人の元へ届けられるようになりました。硬度57の軟水で微炭酸、まろやかな口当たりが特徴で、食事のお供にぴったりです。

大分県阿蘇野 よいやな

大分県くじゅう連山の最東端に位置する黒岳から、天然のミネラルをたっぷり含んだ高濃度炭酸水がこんこんと湧き出ています。硬度250の硬水ですが、比較的飲みやすく爽やかな口当たりが特徴です。

スパークリングウォーターを飲む国

日本では炭酸水だけを飲む習慣があまりありませんが、ヨーロッパでスパークリングウォーターは日本でいう普通の水のような立ち位置にあります。ヨーロッパで売られているものは、天然の湧水をろ過・殺菌処理をしないで、そのままボトルに詰められています。ドイツでは、水をそのまま飲むことはもちろん、ジュースも炭酸で割ることを好み、さらに家庭にも炭酸を備蓄することから、国民から炭酸水が愛されていることがわかります。

スパークリングウォーターのメリット

吸収速度に長けている

スパークリングウォーターを摂ると、血管を拡張して血行を促し、腸へと速やかに水分を送り届けてくれます。

お通じを良くする

胃腸を刺激するため便通を促してくれます。さらに、それぞれの器官を活発にさせるので、利尿作用・発汗作用も促します。スパークリングウォーターを飲むなら特に起床後がおすすめです。

老廃物を排出する

炭酸ガスはとても小さな分子で、それが体内に入ると血管や毛細血管を刺激します。従って、炭酸ガスを洗い流そうと血管が膨張し、栄養素となる酸素が全身に行き渡ります。そのため、スパークリングウォーターには老廃物などを体外へ押し出す働きがあります。

抗菌作用

地肌にやさしい弱酸性で抗菌作用があるため、肌を傷めないよう細菌を洗い落としてくれます。洗顔剤を泡立てる時にスパークリングウォーターを用いると、炭酸が皮脂汚れを落とすので、毛穴の汚れやくすみを改善する働きがあります。

料理との相性抜群

炊飯する時にスパークリングウォーターを使うと、炭酸水素ナトリウムがお米に含まれるでんぷんやたんぱく質と反応するため、ふっくらと炊き上げることができます。
また、お肉を蒸す時に使うと、たんぱく質を分解する作用があるのでお肉を柔らかくしてくれます。さらに、スパークリングウォーターに含まれる炭酸には、脂を除去する働きがあるため、魚を浸けると臭みなどを取ることもできます。

まとめ

遠い昔に起きた大規模な地殻変動によって、地層に亀裂が入り天然の炭酸ガスと地下水がぶつかったことで源泉ができ、発泡する天然水が生まれました。炭酸水と比べて、きめ細かい泡であるとともに、泡立ちも長続きする特徴を持っています。お酒で割ることが多い人は、スパークリングウォーターと炭酸水それぞれ飲み比べてみてはいかがでしょうか?

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水雑学編集部

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