ミネラルウォーターを購入した際にラベルの表記を見てみると、賞味期限が設定されていると思います。賞味期限があるということはミネラルウォーターをはじめとする水は、何年も放置していると腐ってしまうことがあるということなのでしょうか。
今回はミネラルウォーターに賞味期限が設定されている理由を紹介します。
そもそも水は腐るのか
あまり想像できませんが、そもそも水は腐ることがあるのでしょうか。実は、水のなかに含まれている様々な成分や不純物が腐ることによって水の状態が変化することはあっても、水そのものが腐ることはありえません。科学の授業などで習ったと思いますが、水は酸素と水素が結びつくことによってできています。通常、元素そのものが他の物質に変化することはないため、必然的に水そのものが腐るということはないのです。
つまり、「水が腐る」というのはその水に含まれている成分が変化をして、水の状態が変わったことを指しています。
賞味期限がある理由は
ではなぜ腐りにくい水の商品であるミネラルウォーターには賞味期限が設定されているのでしょうか。
理由は2つあります。
前述の通り水が腐ることはありませんが、ミネラルウォーターには水道水などに比べると水にとっては不純物扱いになるようなミネラル成分などが多く、それらが反応を起こしてしまう可能性があるからです。
そして、もうひとつは「ペットボトルの期限」があることです。ペットボトルは完全に密封しているようにみえて、わずかに気体や菌が混入してしまうことがあります。なので、水をペットボトルで長期間の保存をしていると匂いや風味が微妙に変わっているしまう場合があります。多くのミネラルウォーターは長期保存を想定してつくられていますが、容器であるペットボトルの性質はどうしようもありません。よって、ミネラルウォーターをおいしく飲むためには賞味期限をしっかり守らなければならないのです。
消費と賞味の違い
食品の種類によって「消費期限」と「賞味期限」が使い分けられていることはご存知でしょうか。「消費期限」とは主に洋生菓子やお弁当に使用され、「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても安全な期限」を表しています。これは主に長期間の保存が不可能な食品に使用される表記です。この期限を過ぎて食べてしまうと食あたりなどを起こす場合があるので、期限内に消費しましょう。
つぎに「賞味期限」ですが、こちらは「開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限」を表しています。ハム・ソーセージ、缶詰食品などが対象に使用される表記で、保存環境にもよりますがこの期限を過ぎてしまっても風味や匂いに変化があるだけで問題なく食べることができます。ミネラルウォーターは「賞味期限」が適用されているので、長期間の保存は保存環境に気をつけていれば問題なくできます。
賞味期限を過ぎてしまったら
ミネラルウォーターの賞味期限が過ぎてしまった場合はどうすればいいのでしょうか。せっかく買っておいたものを捨ててしまうのはもったいないですよね。賞味期限を大きく過ぎていない場合は多少風味や匂いに変化がある可能性が出始めた程度なので、問題なく飲むことや保存がを続けることができます。
また、保存していることを忘れて大幅に期限が過ぎてしまっても、洗濯やお風呂、育てている植物の水やりに利用することでムダにすることがなくなります。大幅に過ぎているとしても水をどうしても飲用などに使いたいときは、煮沸などをすることで利用できます。
おわりに
今回はミネラルウォーターに賞味期限が設定されている理由について説明しました。賞味期限は過ぎても安全性には問題ない期限ではありますが、飲料メーカーは美味しく飲めるように設定しているので、なるべく賞味期限内で消費するようにしましょう。
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水雑学編集部

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