水の種類によって、phや硬度が異なります。硬度で水を大きく分類することができますが、水分中の水素イオン濃度指数「ph(ペーハー)」で分けることもできます。ここではphと硬度について説明します。
phとは?
phは0~14までの数字で表し、ph1は強酸性、ph14は強アルカリ性、その間であるph7は中性です。人の体液のphはおよそ7.4の弱アルカリ性で、アルカリ性の水は体と相性が良いため、吸収率が高くなるとされています。また、酸性水もありますが、基本的に洗浄や洗顔に用いるためのものなので飲むのは控えてください。人の地肌は弱酸性で、弱酸性水を利用して洗顔をしたり化粧水代わりに使ったりすると良い効果が得られます。
アルカリイオン水(アルカリ性の水)について
アルカリイオン水とは、整水器などで作られるph9~10の電解水、もしくはアルカリイオンを含む水のことを指します。アルカリイオン水はさまざまなブランドから販売されていますが、含まれる濃度によって効果が異なります。そのため、購入前に製品に記載されているph値を確認しましょう。
アルカリイオン水の効果
慢性下痢・胃酸過多・制酸・消化不良・胃腸内異常醗酵などの胃腸症状に効果があると言われています。中には、糖尿病やアトピーの治療のために飲まれている人もいますが、現段階でこれらの効果は確認されていません。
アルカリイオン水の飲み方
一般の人がph値を計るのは難しいため、アルカリイオン水を飲む時は製品に記載されている数値を参考にしましょう。
- 胃腸に良い数値は、アルカリ性の5と言われています。アルカリイオン水を飲み始めの人は、慣れるために8~9と低く設定し、コップ1杯から飲んでください。
- 2週間以上続け、慣れてきたところで徐々にph値を上げましょう。ph10以上の水は安全性が確認されていないので、数値を上げ過ぎないよう気を付けてください。
酸性水について
酸性水は、アストリンゼン効果(収れん作用)が確認されています。消毒作用があるため、脂性肌やニキビ肌に適しており、弱酸性水を使うと地肌がしっとりと潤います。
肌トラブルを防ぐ
前述の通り、収れん作用があるため、地肌を滑らかにしながら肌荒れ予防をしてくれます。さらに、洗顔することでニキビやしみの予防効果も見込めます。
うがい・消毒
喉が痛む時などに酸性水でうがいすると、傷みが緩和します。また、酸性水を用いて湿布することで止血すると、傷を直してくれます。
頭皮のフケ・かゆみを防ぐ
シャンプー後に酸性水を用いるとコンディショナーに近い効果があり、フケ・かゆみを防ぐことができます。
硬度とは?
水に含まれるカルシウム・マグネシウムといったミネラルの合計量を示しています。硬度の低いものを軟水、硬度の高いものを硬水と呼びます。最近ではミネラルの合計量の目安などに使われていますが、本来は飲用水の基準ではなく、給配水管の中にカルシウムなどの物質が溜まっているか判断する、工業用の基準として設けられたものでした。
日本の水はほとんど軟水
世界保健機構の基準では、硬度120以下を軟水、120以上を硬水と呼びます。日本国内を流れる水の平均硬度はおよそ61ですが、水道水の硬度には地域差があり、北海道・宮城・愛知などの水道水の硬度が40以下であるため、おいしいと言われています。反対に関東の都心部や福岡の硬度は80を上回るところが多く、ウォーターサーバーなどの需要が高いようです。
まとめ
phは酸性・中性・アルカリ性に分類できるもので、硬度は水に含まれるカルシウムなどのミネラルの合計量を表しています。あなたが普段飲んでいる水のphや硬度を確認してみましょう。特に、硬度は水の味を左右するといわれています。味に物足りなさを感じているのであれば、今まで飲んだことのない水に挑戦してみましょう。
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水雑学編集部

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