軟水と硬水って何が違うの?


喉を潤すだけでなく、美容やダイエットにも注目されている水には、「軟水」や「硬水」という種類があるのをご存知ですか?一文字違うだけですが、飲み口に違いがあることはもちろん、体に与える効果も異なります。ここでは、軟水と硬水の違いを説明します。

水にはマグネシウムイオン・カルシウムイオンが含まれており、水1Lに溶け込んでいるこれらの成分の量を示した数字を硬度と呼びます。世界保健機構の基準において、硬度が120mg/L以下を軟水、120mg/L以上を硬水と呼びます。

軟水とは?

マグネシウム・カルシウムが比較的少ない水を指します。口当たりがマイルドでさっぱりしているのが特徴です。日本にあるほとんどの水が軟水ですが、ヨーロッパなど海外には硬水が多くあります。このような差があるのは、大地を形成する物質が地域によって異なり、水の留まる時間に違いが出るからだとされています。日本では、雨天が多く密度の低い火山性の地層が多いため、地下水に留まる時間は短くなります。欧米は石灰質の地層が多く、カルシウムを豊富に含む密度が高い地層を、ゆっくりと通り抜けます。日本は成分の浸透する時間が短く、逆に欧米では浸透する時間が長いため硬度の違う水が生み出されると考えられています。

軟水のメリット

体にやさしい

軟水は体に吸収されるのが早いため、水分補給に適しています。さらに、胃腸に負担をかけないので体にやさしい水とも言えるでしょう。

老廃物の排出を促進

軟水には老廃物の排出を促す作用があります。硬度の低い水であるほどデトックス効果が見込めるので、この効果を余すことなく発揮したいのであれば、硬度40未満の超軟水がおすすめです。
老廃物の排出は美肌効果も期待できます。肌トラブルに困っている方は軟水を試してみましょう。

硬水とは?

マグネシウム・カルシウムが比較的多く含まれている水を指します。軟水のように喉越しが良いとは言えないものの、しっかりした飲みごたえがあるところが特徴です。

硬水のメリット

代謝を促してくれる

硬水はミネラル分が多く含まれており、ミネラルには代謝を促す働きがあります。そのため、ミネラル豊富な硬水を飲むと、基礎代謝がアップするため脂肪を燃やしやすい体質にすることができます。

ダイエットに繋がる

硬水にはカルシウムが多く含まれています。カルシウムには脂肪の吸収を抑える働きがあるので、硬水を飲むことで脂肪の吸収を抑え、ダイエット効果に繋がります。

硬水のデメリット

飲みにくい

軟水を飲み慣れている日本人にとって、硬水は硬く飲みにくいと感じることがあります。これは、硬水に含まれるマグネシウムの持つ苦味や香りが原因です。

胃腸に負担がかかる

硬水にはマグネシウムがたっぷり含まれているので、胃腸を刺激する働きがあります。その結果、便秘を改善する効果が期待できますが、胃腸が弱い人や便秘ではない人は胃腸に負担がかかったり、お腹を下したりする恐れがあります。

軟水と硬水の使い方

水の硬度はその地域の食とも密接に関わっています。軟水は料理に向いており、日本では水を贅沢に使って、素材本来の味を活かす料理が発達しました。お吸い物や煮物が代表的で、昆布などの出汁をとるのも日本特有のものです。軟水は旨み成分を引き出してくれるため、日本料理にぴったりです。お茶を淹れる時に軟水を使うと、風味が出やすくなります。
硬水はミネラルがたっぷり含まれており、料理に使うとミネラルの働きによって、たんぱく質が固まり旨味が溶け出さないことがあります。従って、ヨーロッパでは水そのものを使わない料理文化となりました。野菜を加熱する時は野菜に含まれる水分を使って、蒸したり煮込んだりする料理が発達したのです。日本のようにお米は炊かず、炒めたり蒸したりする調理法が主流となっています。ちなみに、硬水でお米を炊くと、固くパサパサになってしまいます。

まとめ

軟水は口当たりがやさしく、硬水は口当たりが重いといった違いがあります。日本にあるほとんどの水が軟水で、ダイエットのために飲み慣れていない硬水を飲んでお腹を壊してしまう人もいます。飲用だけでなく、軟水と硬水の特徴を活かして料理に利用することもできるので、使い分けてみてください。

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水雑学編集部

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